40歳・65歳・70歳・75歳で変わる社会保険制度|介護保険・年金・医療保険のポイント解説

年齢ごとに変わる社会保険制度の節目

社会保険制度は、人生のライフステージに応じてさまざまに姿を変えます。特に40歳以降は、介護保険や年金、医療保険の仕組みによって、負担や給付の在り方が段階的に切り替わっていきます。今回は、「40歳・65歳・70歳・75歳」という節目ごとに、どのように制度が変わるのかを整理してみましょう。社会保険に関わる実務者必見です!

40歳:介護保険料の徴収開始

40歳になると、新たに「介護保険料」の負担が始まります。これは、40歳から64歳までの方が「第2号被保険者」として介護保険制度に組み込まれるためです。保険料は、勤務先で加入する医療保険(協会けんぽ等)の保険料に上乗せされる形で徴収されます。

この段階では、原則として「加齢による要介護状態」以外の原因、たとえば脳血管疾患や初老期認知症など、厚生労働省が定める16種類の特定疾病により要介護認定を受けた場合にのみ、介護保険の給付を受けられます。つまり、40歳からは「負担が始まる」年齢といえるでしょう。

また、今年4月からの法改正により、従業員が40歳に到達するタイミングに合わせて「介護保険制度や介護休業等の制度」について情報提供することが使用者には義務付けられています。

🔗情報提供の例(厚生労働省ホームページ)

65歳:介護保険料が年金から天引きへ

65歳に到達すると、介護保険の「第1号被保険者」となります。これにより、すべての要介護・要支援状態が給付対象となり、特定疾病に限らず介護サービスを利用できるようになります。

また、介護保険料の徴収方法も切り替わります。原則として、老齢年金を受給している方は年金からの天引き(特別徴収)によって納付します。年金収入が少ない方や年金受給権のない方は、市区町村から送付される納付書で直接支払う方式(普通徴収)となります。

70歳:厚生年金保険料の納付が終了

働き続けている方にとって大きな節目となるのが70歳です。厚生年金の保険料納付は、70歳に達する月の前月分までとなり、以降は被保険者資格を喪失し、「70歳以上被用者」へ移行します。

ただし、70歳以降も引き続き健康保険の被保険者としての資格は残ります。70歳を超えて働く方が増えている現代社会では、「厚生年金保険料の納付義務がなくなる」というのは一つの大きな変化点です。なお、70歳以降に就労している場合は、標準報酬月額等を基に算定する「70歳以上被用者」制度の下で報告義務があります。この報告に基づいて、受給している在職老齢年金の支給停止額が確認されています。

75歳:後期高齢者医療制度へ移行

75歳になると、原則としてすべての方が「後期高齢者医療制度」に移行します(65歳以上で一定の障害認定を受けた方は、75歳を待たずに移行可能)。これにより、従来の健康保険や国民健康保険から外れ、後期高齢者医療広域連合が運営する医療制度に加入します。

保険料は、原則として年金からの特別徴収により納めますが、年金収入が一定額未満の場合などは口座振替が選択されます。医療費の自己負担割合は、所得に応じて1割から3割となり、高齢者にとって大きな生活上の影響があります。

社労士からのアドバイス

40歳から始まる介護保険料、65歳の介護保険料特別徴収、70歳での厚生年金保険料納付の終了、そして75歳からの後期高齢者医療制度への移行――社会保険制度は人生の節目ごとに大きな変化を迎えます。これらを正しく理解することは、個人のライフプラン設計だけでなく、企業や事業所での人事労務管理においても重要です。被保険者の制度変更に伴う誤解や不安を解消することが求められます。特に高齢化が進む日本において、こうした「年齢ごとの社会保険の切り替わり」を分かりやすく伝えることは、ベテラン勢の活躍のための重要な役割となるでしょう。

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