【よくある質問】収入と所得は何が違う?社会保険の扶養判定で知っておきたい基準
収入と所得の違いって?実務で迷わないためのポイント
年末調整の時期が近づくと、会社の社長さんや労務担当を兼任されている従業員の方からよくいただく質問があります。
それが「収入と所得って、結局なにが違うの?」というものです。
実は、社労士の実務では「所得」よりも “収入” を使う場面のほうが圧倒的に多い ため、この2つを混同してしまうと、扶養判定などで判断を間違えてしまう可能性があります。今日は、その違いをやさしく整理してみます。
収入と所得の違いをシンプルに解説
まず、ざっくりとした違いは以下の通りです。
収入:もらった金額そのもの(総額)
所得:収入から必要経費などを差し引いた残りの金額
税務の世界では「所得」が基準になることが多いですが、社労士の世界、とくに 社会保険の扶養 を判断する際は “収入(年間見込み額)” が主役 になります。
例えば、パートさんの給与なら「時給×働いた時間×12か月」の見込み額がそのまま“収入”として扱われます。
また、被扶養者(扶養に入りたい方)が自営業の場合も、原則として「損益計算書に記載される「売上」が「収入」として判断されます。
社会保険の被扶養者判定では、なぜ“収入”が重要?
社会保険の被扶養者の判定基準は、「年収が130万円未満(60歳以上・障害者の場合は180万円未満)」が主なラインになります。
ここでいう年収は、控除前の収入見込み額 を指します。
つまり、「交通費込みの総支給額で判断する」ということです。
税金の計算のように経費や控除を差し引いて“所得”を出すことはしません。
よくある勘違い例
❌ 「パートの手取りが少ないから扶養に入れるはず」
→ 社会保険では手取りではなく“収入”で見るので、手取りが少なくても総支給額が基準を超えれば扶養には入れません。
❌ 「自営業の配偶者が所得で計算したら基準に収まっている」
→ これは税務的な考え方。社保の扶養は“収入=売上”で判定するため影響しません。
一部、仕入等は経費として、収入から控除することが認められる場合があるますが、客観的な資料(契約書等)が必要なります。
こうした勘違いは、中小企業での実務の現場でよく起こるポイントです。
社労士からのアドバイス
収入=もらった金額の総額、所得=経費等を引いた後の金額
社会保険の世界では「収入」が基準になることが多い
扶養判定では「130万円未満」などのラインは“収入ベース”で判断する
手取りや税金計算の所得は社会保険の扶養判定に関係ない
小規模企業や中小企業では、社長や従業員が本業の傍らで労務管理を行うことが多いため、「税務の基準」と「社保の基準」を混同しないことが実務ではとても大切です。
最後に少しだけ補足すると、
年末調整は『所得税』に関する事務となり、税理士業務となります。年末調整で迷った場合は、税理士さんへご相談ください。







