働きながら年金を受け取りたい!在職老齢年金と支給停止の仕組み
在職老齢年金と支給停止の仕組み
今や65歳過ぎても“働く”ことは当たり前になっていますね。弊社のお客様でも65歳以上の従業員を抱える会社は多いのですが、この夏多かったご相談が「年金と給与のバランス」でした。もっと言うと「年金を停止されずに働きたい」というニーズが高い!ベテラン勢の就労が一般化する中で、「働きながら年金を受け取る」在職老齢年金の仕組みを理解することは、ライフプラン設計に欠かせません。今回は、在職老齢年金の支給停止ルールを整理していきます。
1. 在職老齢年金とは
在職老齢年金は、老齢厚生年金を受給しながら厚生年金保険に加入して働いている場合に、一定の収入があると年金が一部または全部支給停止される制度です。なお、老齢基礎年金は支給停止の対象外です。
📢 基礎年金は停止されません!
2. 支給停止の仕組み
在職老齢年金の支給停止は、次の計算式で決まります。
支給停止額 = (総報酬月額相当額 + 基本月額 - 51万円) × 1/2 × 12
基本月額:老齢厚生年金(報酬比例部分)の年額を12で割った額
総報酬月額相当額:標準報酬月額(給与)+標準賞与額(直近1年分を12で割った額)
51万円以下であれば支給停止なし
51万円を超えた分の半分が停止額となる
📢 標準賞与額を計算に入れることを忘れずに!標準賞与額は直近1年分の支給された賞与が対象となります。
📢 支給停止が始まる基準額は51万円
3. 計算例
老齢厚生年金(年額120万円/基本月額10万円)、標準報酬月額34万円、標準賞与額120万円(年額)のケースを考えます。
総報酬月額相当額:標準報酬月額34万円+標準賞与額10万円(月額)=44万円
基本月額:10万円
合計:44万円+10万円=54万円 → 51万円を3万円超過
支給停止額: (54万円-51万円)×1/2=1.5万円 (支給停止の年額は18万円)
年金月額:10万円-1.5万円=8.5万円
4. 制度改正のポイント
かつて60歳~64歳は「28万円基準」、65歳以上は「47万円基準」でしたが、令和7年4月以降は 全年齢共通で「51万円基準」 となりました。
今後の法改正により、令和8年4月からは在職老齢年金の支給停止調整額が「62万円」に引き上げられる見通しです。
社労士からのアドバイス
在職老齢年金の支給停止は、「働いて得る収入」と「年金」のバランスを取る仕組みです。高齢期の就労が当たり前になった今こそ、制度を理解したうえでライフプランを描くことが大切です。
Minerva社労士法人では、年金と就労の調整、退職時の手続き、雇用保険給付との併給調整など、具体的なケースに応じたご相談に対応しています。お気軽にお問い合わせください。