【社労士が解説】算定基礎届の書き方・注意点まとめ|提出ミスを防ぐポイントとは?

6月から7月にかけて、多くの企業が頭を悩ませるのが「算定基礎届」の提出です。社会保険の保険料に直結する重要な手続きでありながら、記載ミスや提出漏れが多く見受けられます。本記事では、社労士としての視点から、「算定基礎届」の基本から具体的な記入・提出のポイントまでを解説します。

算定基礎届とは?

算定基礎届とは、毎年7月10日までに提出が求められる、社会保険の保険料額を決定するための書類です。対象は原則として、5月31日時点で在籍しているすべての被保険者。4月・5月・6月の給与(報酬)をもとに、9月以降の保険料が決定されます。

🔗日本年金機構ホームページ:定時決定(算定基礎)

日本年金機構:令和7年度算定基礎届の記入・提出ガイドブック

🔗日本年金機構動画:令和7年度算定基礎届事務説明

提出ミスを防ぐ!記入時の基本ルール

1. 対象者の確認

まず重要なのが対象者の精査。退職者や新入社員など、報酬の算定に含めるべきかの判断が必要です。

  • 退職者:6月30日以前に退職した場合は対象外となります。

  • 新入社員:4月入社(資格取得)、5月入社(資格取得)した場合は対象ですが、6月1日以降に入社し、資格取得した方は対象外です。

  • その他:7月改定の月額変更届を提出する方、8月または9月に随時改定が予定されている旨の申出を行った方も対象外となります。※この場合は、算定基礎届の報酬月額欄を空欄にし、備考欄の「3.月額変更予定」に〇をしてください。

2. 報酬の定義と集計方法

算定基礎届で言う「報酬」とは、基本給だけでなく、通勤手当、残業代、各種手当を含めた金額です。

  • 支払基準:4月支給分、5月支給分、6月支給分で算定を行います。

よくあるミスと対策

ミス1:支払月と対象月の混同

→ 6月に支払った「5月分給与」は6月の報酬として計算します。

ミス2:短時間労働者の取扱い

→ 法改正により、短時間労働者に対する社会保険の適用拡大が行われています。特定適用事業所の場合は、短時間労働者の働き方(労働時間)を改めて確認し、加入漏れがないかチェックしておきましょう。

ミス3:特定月だけ著しく高額な報酬

→ 賞与などの一時的な増額は除外します。常態的でない報酬は算定基礎届の対象外となることがありますが、その場合は、「賞与支払届」に該当することがほとんどです。届出漏れがないよう気を付けましょう。

電子申請の活用で効率化を図る

社会保険の電子申請推進に伴い、算定基礎届も「e-Gov」「GビズID」を活用することで、業務効率が大きく向上します。とくに複数名の申請が必要な中小企業では、電子化により提出ミスを防ぐメリットが大きいです。

社労士からのアドバイス

社会保険の届出は大きく「資格取得時決定(資格取得届)」「定時決定(算定基礎届)」「随時決定(月額変更届)」の3つですが、中々に仕組みを理解するのが難しいとのお声をいただきます。届出の内容は、従業員の社会保険料だけでなく、企業負担の保険料にも直結します。手続きの正確性はもちろんのこと、報酬の設計や人件費の最適化にも大きく関わるため、社労士へ外注する企業も増えてきています。業務の効率化を図りたいなら、思い切って社会保険事務を外注するのも選択肢としておススメの一手です!

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