従業員5人の会社でも必要!36協定と時間外労働の正しいルールとは
「時間外労働は適正に」——小さな会社だからこそ大切にしたい労務の基本
長崎労働局が「長時間労働が疑われる事業場に対する令和6年度の監督指導結果」を公表しました。時間外労働、いわゆる残業は、経営者にとっては悩ましい課題ですよね。
弊社でも最近、「36協定」をきっかけに来所いただく企業様が多くなってきました。特に小規模企業に関しては、とりあえず提出したけど、何を書いているのか実は分からない・・・という声も。
その結果、気づかないうちに協定以上の「時間外労働」が発生していたり、「働かせすぎ」になっていたりするケースも少なくありません。
「従業員も頑張ってくれているし、もう少しお願いしよう」と思っても、その働かせ方が“法律上はNG”になることも。
今回は、そんな小規模企業の方にぜひ知っておいていただきたい「時間外労働のルール」について、わかりやすくお伝えします。
長崎労働局ホームページ:長時間労働が疑われる事業所に対する令和6年度の監督指導結果を公表します
法定労働時間とは?
まず、「法定労働時間」とは、労働基準法で定められた働ける時間の上限のことです。
原則として、
1日8時間
1週間で40時間
これを超えて働かせることは、原則として禁止されており、法定を超えた労働は違法になります。
「うちは忙しいから今だけ少し延長しても…」という気持ちはわかりますが、たとえ短期間でもルールを超えると「違法な時間外労働」となり、罰則の対象になることもあります。
36協定(サブロク協定)の必要性
では、繁忙期などどうしても残業をお願いしたいときはどうすればいいのでしょうか?
そのときに必要なのが「36(サブロク)協定」です。
これは、「労使で合意して、法定時間を超えて働くことを認めるための協定」です。
ポイントは次の3つ:
書面で締結すること(口約束ではNG)
労働者の代表と合意すること
労働基準監督署に届け出ること ※事前提出がルールです
意外と多いのが、「協定書はあるけど内容が不備」「届出していない」というケース。
この場合、形式的に結んでいても協定違反扱いになります。
また、以前届出から「協定の有効期限が切れている」ケース。36協定は一度届出したから終わり、というものではないのです。
36協定は、内容も期限も細かい決まりがあるため、正しく理解していないと知らぬ間に違法状態になってしまうことが。
割増賃金のルール
時間外労働をさせる場合、割増賃金(いわゆる残業代)の支払いも必要です。
基本ルールは次のとおりです:
時間外労働:通常賃金の 25%増、60時間超に対しては50%増
深夜労働(22時~翌5時):25%増
休日労働(法定休日に勤務):35%増
たとえば、時給1,200円の社員が深夜に残業した場合、1時間あたり1,200円×1.25×1.25=1,875円の支払いが必要になります。
こうした計算を「なんとなく」で処理してしまうと、未払い残業のリスクにつながり、後でトラブルに発展することもあるので注意が必要です。
よくある落とし穴
創業期の小規模企業や家族経営の現場では、こんなケースがよく見られます。
「タイムカードがないから労働時間があいまい」
「従業員の好意で長時間働いてもらっている」
「社長も一緒に働いているから気づかないうちにオーバー」
特に“家族的な雰囲気”の職場では、従業員が社長に気を遣って「残業申告しない」ことも。
しかし、万が一労働基準監督署の調査が入れば、「申告していなかった」は通用しません。
そして忘れてはいけないのが、社長ご自身の働き方。
創業期は誰よりも長時間働きがちですが、健康を損なってしまっては元も子もありません。
「人を大切にする経営」は、まず社長の働き方から始まります。
社労士からのアドバイス
36協定や労務管理のルールは、一見シンプルに見えて、実際はとても複雑です。
「どの書式を使う?」「どこまで残業を認めていい?」といった判断には専門知識が欠かせません。
そのため、最近では社労士に外注する企業が増えています。
社労士に任せれば、
適法な36協定の作成・届出
就業規則との整合性チェック
労務トラブルの予防策アドバイス
などをワンストップでサポートしていきます。
小規模だからと言って、全ての事務を社長が抱える必要はありません。思い切ってプロに外注するればいいんです。
小さな会社こそ、“法令遵守”が信頼と安心の土台になり、持続可能な経営基盤につながります。
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