中小企業のための労務相談:よくある課題と解決策
中小企業の経営者や人事担当者にとって、労務管理は避けて通れない重要な業務です。しかし、「どう対応すればいいのかわからない」「ネットを検索しても何が正解か分からない」とお悩みの方も多いのではないでしょうか?特に、従業員30名以下の企業では、専任の人事担当者を置くのが難しく、経営者自らが労務管理を行うケースも少なくありません。本コラムでは小規模・中小企業が直面しやすい労務の課題と、その解決策を教えちゃいます!
労働時間・残業管理の問題
【よくある課題】
建設業や製造業では、業務の都合上、早出や残業が発生しやすくなります。福祉関連では、夜勤やシフト勤務が必要なため、適切な労働時間管理が求められます。しかし、「労働時間の記録が曖昧」「残業代の計算が難しい」といった悩みを抱える企業も多いです。
【解決策】
- 労働時間の適正な把握
従業員の労働時間を正確に記録しましょう。どこが時間外労働で、どこが法定休日労働なのか、意外と曖昧なまま計算してはいませんか?給与計算には法律のルールに沿って行うことが大切。印鑑押印式の出勤簿を使用している企業もありますが、これはリスクの火種に。“時刻”と“時間数”の記録が、給与計算のスタートラインです。 - 36協定の締結と適切な運用
法定労働時間を超えて働く(いわゆる残業)の場合は、労使協定(36協定)を締結し、労基署へ届け出る必要があります。違反すると罰則が科されることもあるため、法律の手順を把握して、正しく運用しましょう。 - 変形労働時間制の活用
場合によっては、『変形労働時間制』の活用ができることがあります。繁閑に応じた柔軟な労働時間の設定が可能になります。
人手不足と採用の悩み
【よくある課題】
中小企業では、大手企業に比べて人材確保が難しい傾向があります。特に、建設業や福祉業では慢性的な人手不足が課題となっています。
【解決策】
- 自社の魅力を探る
中小企業の経営者の皆様は、自社のアピールに消極的な傾向になります。でも、どの会社にも必ず魅力はあるはずです。まずは、既存の従業員がなぜ自社で定着しているのか、社長自身がどのように会社を発展させていきたいかを考えてみましょう。 - ハローワークや求人サイトの活用
無料で求人情報を掲載できるハローワークの活用は有効です。また、各自治体でも人材採用の補助事業等を行っています。Googleビジネスプロフィール(無料)活用できていますか?人材確保は地道な作戦を積み重ねるしかありません。中小企業にとっては、できることから全部やる!が人材確保には必要です。 - シニアや外国人労働者の活用
建設業では、技能実習生や特定技能制度を利用する企業も増えています。また、シニア層の再雇用を積極的に進めることで、経験豊富な人材を確保できます。
社員トラブルへの対応
【よくある課題】
- 「遅刻や欠勤が多い社員にどう対応すればいいか」
- 「急に育児休業を言われた。取らせなきゃいけないのか」
- 「問題社員を解雇したいが、トラブルにならないか不安」
【解決策】
- 就業規則の整備
トラブルを防ぐためには、会社のルールを見える化し、全員に知らせておくことが得策です。そのためには、就業規則や雇用契約書をしっかりと作成し、運用しておくことが必要です。例えば、無断欠勤が続く場合の対応や、ハラスメントの防止策を明文化しておくことで、いざという時に適切な対処がしやすくなります。 - 育児休業や介護休業への準備
今や従業員にとって、ライフイベントと仕事の両立のしやすさは、会社選びの重要なポイントです。法整備も進んでおり、経営者側が知らなかったでは済まされないことに。急な対応を迫られないためにも、法定休業制度の把握や相談窓口の設置などで準備万端にしておくことが必要です。 - 解雇や懲戒処分の適切な手順
問題社員を解雇する際は、労働基準法や労働契約法に基づき、慎重に対応する必要があります。不当解雇とならないよう、事前に社内ルールの整備をしておきましょう。
社労士への相談を活用しよう
何だかんだ経営者がやらなければならいことが沢山!でも、これ社労士が丸っとサポートできます!労務管理の課題は企業によって異なりますが、「どのように対応すればよいかわからない」と感じたときは、社会保険労務士(社労士)に相談するのが最も確実です。なぜなら、労務のプロが社労士だからです!社内ルールの構築、就業規則の作成・見直し、労務トラブルの対応、給与計算の外注など、専門的なアドバイスを受けることで、企業のリスクを減らしながら適切な労務管理を行うことができます。
当事務所では、長崎県内の中小企業向けに、実践的な労務相談を行っております。労務管理に関するお悩みがありましたら、お気軽にご相談ください。
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