意外と知らない無期転換ルール~定年後の継続雇用制度にも適用!?~

こんにちは!Minerva社労士法人です。

勝手にシリーズ化の「意外と知らない」の回です。今回は、“無期転換ルール”、それも再雇用後に関するお話です。

マンパワー不足、人材の有効活用、労働者の働きたい意欲等が後押しとなって、定年後も活躍の場は広がっています。

弊社のお客様でも定年年齢の見直しや継続雇用制度の再整備などの相談が多くなってきていますが、ほとんどの社長たちが知らないと口を揃えるのが、今日のお話「継続雇用の高齢者に関する無期転換ルール」。ベテラン従業員を活用したい会社はぜひ、チェックしてみてください!

そもそも「無期転換ルール」とは?

無期転換ルールは、労働契約法第18条に基づくもので、一定条件を満たした有期雇用労働者(契約社員)が無期雇用(ざくっと言うと、辞めたいと言うまで働き続けられる契約)に転換できる仕組みです。

どんな人が無期転換できる?

無期転換ルールが適用されるのは、「同一の使用者との間で締結された有期労働契約が、通算5年を超えた」場合に「その労働者が無期労働契約への転換を申し込む」と、無期契約に切り替えられ、原則、会社は拒否できません。

継続雇用制度との関係

定年後に再雇用制度を用意している会社は多くなってきていますが、ほとんどの会社では1年更新制を採用しているケースが多いのではないでしょうか。この場合、定年後であっても、法的に見ると期間の定めがある労働契約「有期雇用労働者」と判断されます。

例えば、「65歳定年で70歳まで1年ごとの継続雇用」という流れで更新をすれば、有期契約は通算でちょうど5年になるため、無期転換権発生タイミングの“5年を超えた場合”には該当しませんが、人材不足の今、再々雇用として、さらに70歳以降も継続して雇用する場合には、有期雇用契約が通算5年超えたところから無期転換権が発生します。

継続雇用の高齢者に関する無期転換ルールの特例

実は、継続雇用の高年齢者に関しては特例措置があるんです。

高齢者に対する特例措置

  • 継続雇用制度の対象者(高年齢者雇用安定法第9条第1項に基づくもの)については、定年後の有期労働契約は無期転換ルールの適用外とされる場合があります。
  • ただし、この特例措置を利用するためには、事業主が労働局の認定(第二種計画認定)を受ける必要があります。認定を受けないと、効力は発生しませんので、ご注意を!
  • また、特例措置の対象になるのは、定年後、引き続き同じ会社で雇用される者に限ります。

定年や継続雇用制度の見直しの際には、第二種計画認定もご一緒に!

ベテラン人材の活用は会社にとってもメリットがありますが、労使共に曖昧なまま雇用を続けているケースも。そうなると認識違いが火種となってトラブルになる可能性も否めません。

トラブル予防は経営者の重要ミッションです。この第二種計画認定も今後は会社にとって必要な手続きのひとつになってくるかと思います。

弊社では就業規則の作成や見直しの際には、必ず第二種計画認定もセットでご提案させていただいていますので、就労ルールの一つして、ぜひ、ご検討をおススメします!

 

★もっと詳しく>> 

🔗厚生労働省ホームページ「無期転換ルールについて」

🔗厚生労働省「有期特措法パンフレット」

🔗長崎労働局「無期転換ルールの対応について」